町家移動美術館は、北野界わい創生会代表の鳥井光広さんが所有する絵画などの作品を、地域の会場やお店、町家で展示を行うイベントです。
京都を代表する狩野派、四条派、琳派など、江戸時代から近代にかけての幅広いジャンルの中から、今回は2026/02/28~03/02にかけて京友禅染色作家・南進一郎先生の工房において、ひな祭りに関連した作品の展示が行われました。
管理人は京都検定2級を保有しているのですが、狩野派、四条派、琳派は京都検定でも頻出のテーマ。
このような画派の作品は有名寺院の霊宝館や、京都国立博物館などの資料館などでしか見る機会がありませんでしたが、なんと町家美術館では見るだけでなく作品の撮影も可能です。
そして展示期間中は作品を所有する鳥井さんと展示会場である工房の南さんから直接作品の解説や、作家の解説、当時の京都での出来事などの歴史や裏話まで、ここでしか聞けないニッチな京都について知ることができる貴重な機会でした。
※京都関連の画派については下記の記事で詳しく紹介していますのでぜひご覧ください。
展示作品紹介
立雛図


今回のメイン作品である立雛図
立雛は私たちが知っている雛人形とは違って立っている姿であり、平安時代の流し雛や人形(ひとがた)を模したものと思われます。
平安時代では人形は、自身についてしまった災いや穢れを人形に移して浄化するという、祈りの用途として用いられていました。
下鴨神社では現代でも「流し雛」という、人形に自分の厄を移して川に流す神事が行われています。

こちらは横山清輝の立雛図
横山清輝は四条派に属しており、江戸時代末期に活躍しました。

こちらは上村松園の立雛図
四条派に属しており、「美人画」と呼ばれる女性の作品を描き続け、女性では初めて文化勲章を受賞した人物です。

こちらは入江波光の立雛図
京都市立絵画専門学校(現・京都市立芸術大学)の1期生で明治から昭和にかけて活躍しました。
花鳥図


明治から昭和にかけて活躍した竹内栖鳳は四条派の幸野楳嶺を師としています。
幸野楳嶺が創設した京都府画学校(現在の京都市立芸術大学)の出身で、第一回文化勲章を受賞。画風は四条派を基礎に狩野派、西洋の画法を取り入れた革新的な画風が特徴です。
長沢蘆雪は江戸時代に活躍し、円山派に属しています。
師の円山応挙とは対照的に大胆、独創的な作風で知られ「奇想の絵師」とも呼ばれています。
大胆な構図の花鳥、動物、人物画が有名ですが、依頼主によっては落ち着いた水墨画を描いたりと、依頼主によって画風を使い分けていたとされています。
今回の長沢蘆雪の花鳥図は、かなり落ち着いた部類の作風です。
糸瓜図

建仁寺の風神雷神図で知られる俵屋宗達の作品
生没年1570年ごろ~1640年ごろと推測されていて、琳派の祖と言われています。
俵屋宗達の作品は年代も古く、本人のサインが書かれている作品が少ないので俵屋宗達の作品だと断定できることが難しいそうです。
伊勢海老図


伊勢海老図は今回の町家移動美術館を開いた工房の南さんの父が書いた作品。
四条派を代表する幸野楳嶺の長男から日本画を学んでいたそうです。
会場

| 会場名 | 南進一郎 創作着物アトリエ |
| 住所 | 京都市上京区北之御門町575 |
次回の開催について
次回は2026/05/02~05/03にかけて同工房において伊藤若冲と竹久夢二の作品を展示

