京都検定において、過去に出題（選択肢を含む）された茶室、または公式テキストに掲載されている茶室をまとめました。
茶室は普段は非公開の場所もありなかなか覚えにくいですが、一覧にして見ると少しは覚えやすいと思います。
醒花亭（せいかてい）
後水尾上皇のために造営された京都仙洞御所にある茶室
夕佳亭（せっかてい）
金閣にある金森宗和作の茶室。
後水尾天皇への献茶を目的に作られたとされています。
相国寺承天閣美術館では復元された夕佳亭を見ることができます。
湘南亭（しょうなんてい）
苔寺と言われる西芳寺の庭園は国の特別名勝に指定されています。庭園の南に位置する茶室が湘南亭で、千利休の次男の千少庵により建立されました。
黄金池を見下ろすような月見台が特徴。
幕末期には岩倉具視が尊皇攘夷派から命を狙われそうになり、ここに潜伏していたと言われています。
松琴亭（しょうきんてい）
八条宮の別荘として造営された桂離宮にある茶室。
傘亭（かさてい）
高台寺にあり、伏見城の遺構という説があります。
内部から見える屋根が傘を開いたような形をしていることからこの名前がつけられました。
時雨亭（しぐれてい）
高台寺の傘亭と廊下で繋がっている茶室で、こちらも伏見城の遺構とされています。
高床式の構造をしており、茶室のメインとなる部分は2階にあります。
水月亭（すいげつてい）
建仁寺塔頭・両足院にある茶室。
同じく建仁寺塔頭・正伝永源寺の如庵の写しとされます。如庵は愛知県に移築された茶室で、そちらは国宝。正伝永源寺に現存している如庵はその復元です。
待庵（たいあん）
大山崎町の妙喜庵にある茶室で、千利休作の茶室で唯一現存しており国宝に指定されています。
不審庵（ふしんあん）
表千家の代表的な茶室。
表千家は千宗旦の三男の江岑宗左によって確立した流派で、もとは紀州徳川家に出仕していました。
残月亭（ざんげつてい）
表千家の茶室
今日庵（こんにちあん）
裏千家の代表的な茶室。
裏千家は千宗旦の四男の仙叟宗室によって確立した流派で、もとは加賀前田家に出仕していました。
又隠（ゆういん）
裏千家の茶室
官休庵（かんきゅうあん）
武者小路千家の代表的な茶室。
武者小路千家は千宗旦の次男の一翁宗守によって確立した流派で、もとは讃岐高松松平家に出仕していました。
燕庵（えんなん）
茶道家元の藪内家の茶室。
三千家が上流と呼ばれたのに対して、西本願寺の近くに位置する藪内家は下流と呼ばれました。
密庵（みったん）
大徳寺塔頭・龍光院の書院（国宝）にある茶室で、小堀遠州の作とされています。
龍光院は黒田長政が父の黒田孝高（如水、官兵衛）の菩提を弔うために建立。書院のほか、曜変天目茶碗、蜜庵咸傑墨蹟の2点も国宝に指定されています。
閑隠席（かんいんのせき）
大徳寺塔頭・聚光院にある茶室で表千家7代の如心斎によって寄進されました。
聚光院は三好義嗣が父の三好長慶の菩提を弔うために建立。千利休と三千家の菩提寺にもなっています。
襖絵で狩野永徳の琴棋書画図と四季花鳥図、狩野松栄の瀟湘八景図、両者による方丈障壁画38面は国宝に指定されています。
枡床席（ますどこのせき）
大徳寺塔頭・聚光院にある茶室
涵虚亭（かんきょてい）
大徳寺塔頭・興臨院にある茶室。古田織部好みの茶室と言われています。
興臨院は畠山義総により畠山家の菩提寺として創建され、その後は前田利家によって改修され前田家の菩提寺となりました。
昨夢軒（さくむけん）
大徳寺塔頭・黄梅院にある茶室。千利休の師である武野紹鴎作と伝わります。
織田信長が父の信秀を弔うために建立、その後豊臣秀吉と小早川隆景により本堂と庫裡が寄進されて黄梅院と改称されました。
千利休が作庭の直中庭も有名。
忘筌席（ぼうせんせき）
大徳寺塔頭・孤篷庵の茶室。露結の手水鉢が特徴的。
小堀遠州が龍光院に建てた子院で、現在地に移る際に建物と庭園が整備されました。
茶碗の喜左衛門井戸は国宝に指定。
庭玉軒（ていぎょくけん）
大徳寺塔頭・真珠庵の茶室で金森宗和好みの茶室と言われています。
真珠庵は一休さんを祀るために建立されました。
八窓軒（はっそうけん）
曼殊院にある茶室で、仏教の八相成道から8つの窓があります。
静寂のイメージが強い千利休の茶室とは異なり、開放的な構造をしていることが特徴。
滴水庵（てきすいあん）
嵐山公園北側にある大河内山荘庭園の茶室。
映画俳優の大河内伝次郎の別荘です。
堪庵（たんあん）
京都国立博物館の庭園にある茶室。
通仙亭（つうせんてい）
煎茶を普及した売茶翁（高遊外）が東福寺の近くで営んでいた簡易的な茶屋。
好文亭（こうぶんてい）
青蓮院門跡にある茶室で、天明の大火の際に後桜町上皇が仮御所として使用しました。
