京料理の一つである鯖寿司は、家庭内で祭りや行事ごとのときに作り、親戚やご近所さんとともに祝うしきたりがあります。
近年は家庭内で作ることも少なくなっていますが、京都には鯖寿司を提供する寿司屋がいくつかあります。
まず鯖寿司についてですが、昔の京都では地形的に海がないため海産物は福井の若狭湾からの輸送されていました。
しかし生魚は腐敗がしやすいため、とれた鯖を塩でしめて塩鯖の状態で保存性を保ちながら若狭から京都へと運ばれます。これを美味しく食べるために改良されたのが塩鯖を酢でしめて寿司にしたことが鯖寿司の始まりです。
ちなみに若狭から京都にかけて鯖を運んだ道(小浜〜出町柳)は、現在も鯖街道として名前が残っています。
今回は京都市で鯖寿司を提供する東福寺エリアのいづ松というお店に行ってきました。

お店は東福寺駅のすぐ東側の小さな商店街に位置しています。


店内はレトロな古民家のような雰囲気で、壁を見ると和風の小物がたくさん。


芸舞妓さんも利用しているようでうちわも掛けられていました。

こちらはいづ松の看板メニューである鯖寿司についての解説。

今回は鯖寿司と京寿司を注文。鯖寿司は5切しかないものの、なかなかのお値段です。

こちらは鯖寿司5切。
5切でお腹が満足できるの?と注文前は思いましたが、シャリの上に乗っている鯖が普通の寿司のネタの2倍くらいの厚さで、食感もかなり肉厚。
シャリも握り寿司とは違い、推し寿司のような感じで量も旨みもギュッと凝縮されているので、ネタもシャリもかなりのお腹にたまるボリュームでした。
鯖の上に薄い茶色の膜のようなものが見えますが、これは薄い昆布です。

こちらは京寿司。
こちらにも鯖寿司が含まれています。他には太巻きやお稲荷さんなどがあります。
鯖寿司と京寿司をそれぞれ注文してシェアするといろんな味を堪能できてよかったです。
京都観光ではなかなか海の幸を求めいる方は多くないと思いますが、昔の京都の物流事情が絡んで独自に発展していった鯖寿司もぜひ選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
実は管理人、京都で寿司を食べるのはチェーン店以外ではおそらく初めてで、東福寺エリアもいつも素通りするだけでしたので色々と初めての体験でした。
祇園エリアのように数は多くはありませんが、今回のいづ松のように昔から根強く残る渋い店もあるので面白みがありました。
店舗情報
| 店舗名 | いづ松 |
| 所在地 | 京都市東山区本町13 |
| 営業時間 | 10:00~19:30 |
| 定休日 | 木曜日 |

