祇園祭で一際注目を浴びる祭事が山鉾巡行です。
昔の京都は疫病が流行し、人々を苦しめてきました。
山鉾巡行は当時の市民らによって疫病を鎮めるために行ったことがルーツです。
前祭では美しい懸装品を身に纏った23基の山鉾が巡行します。
前祭 山鉾紹介
注連縄切り
前祭の山鉾巡行、長刀鉾が四条烏丸を東に進行し、麩屋町通に差し掛かった際に行われる注連縄切りという行事があります。
前日に八坂神社から四条寺町の御旅所へと3基の神輿が移される神輿渡御という祭事がありましたが、注連縄切りは神域への結界を解く目的があります。
朝9時前、高橋町の方々が榊を立て、南北に注連縄が張られました。
9:20分頃、注連縄前に長刀鉾が到着。
長刀鉾には全ての山鉾の中で唯一の生稚児が乗っており、稚児が持つ真剣により注連縄が切られます。
山鉾の辻回し
山鉾の車輪には舵取りができない構造になっているため、方向転換の際は車輪の下に青竹を敷き、直接車輪を滑らすことで方向転換を行います。
山鉾前方の音頭取りは巡行時は2人ですが辻回しの時は4人となり、扇子と掛け声で曳き手に合図を送って10トンの鉾が方向転換を行います。
河原町通での辻回し
先頭の長刀鉾が四条河原町に到着し、辻回しを行います。
四条河原町は辻回しが行われる最初の地点でもありますので、観客の数も一番となっています。
御池通での辻回し
神輿のように担ぐことができる保昌山は2度3度と回転させ、観客から大きな声援が上がりました。
山鉾は御池通を西に進み、新町通から各山鉾町へと帰って行きます。
山鉾町へと帰ったらすぐに解体が始まり、翌日中には全てが解体されます。
山鉾は各町の巡行時に疫病神を集めていると言われているため、巡行後に元の町に戻ってしまわないようすぐに解体する必要があります。