2024/7/31、京都府立文化芸術会館にて映画「つぎとまります」の舞台挨拶が行われました。
「つぎとまります」は京都府亀岡市が舞台で、バス会社に入社した新卒の女性運転手の成長を描いた映画です。
全国的にバスの運転手が不足、それに加えて女性運転手は極端に少ない現状ですが、この映画は次世代のバスの運転手になりたいと思える人を増やしたいという思いで作られています。
撮影は実在する京阪京都交通の協力によって行われ、実在する亀岡市内のバス停や路線、名所も登場します。
京都在住のみなさんにとっては親しみがある場所がスクリーンに登場する嬉しさがあり、京都市内に訪れた観光客の方にとっても亀岡市に訪れるきっかけになる映画になっています。
今回は完成披露試写会+舞台挨拶で感じた映画の魅力、舞台挨拶でしか見ることのできない演者たちの素顔や撮影の裏情報についてご紹介します。
あらすじ
京都・霧の町を舞台に織りなすヒューマンファンタジー
日本一のバス運転士になる!」子供の頃からの夢を叶えるために、京都・亀岡のバス会社に就職する保津川美南。個性豊かな同僚や乗客たちに囲まれながらも失敗の毎日…。そんな美南の心の支えは、バス運転士を目指すきっかけとなった憧れの『運転士さん』。ピンチの時に現れる彼を頼りに成長するが、ある日、そんな社員は存在しないことを知る…。困惑する美南をよそに、未曾有の大雨が西日本を襲う。果たして奇跡は起こるのか?
映画「つぎとまります」
主演は京都府出身の女優 秋田汐梨さん
主演の秋田汐梨さんは現・Seventeen専属モデルで、女優としても活動しており、つい先日の2024年8月はNetflixオリジナルドラマ「恋愛バトルロワイヤル」にも出演しています。
今回は秋田さん自身初めてとなる地元京都を舞台とした作品への出演となります。
2015年第19回ニコラモデルオーディションでグランプリを獲得。雑誌『nicola』専属モデルを経て、現在は集英社「Seventeen」の専属モデル。
株式会社スターダストプロモーション
2017年に女優デビュー。
映画「惡の華」では可愛くもダークな面がある"佐伯奈々子"を演じ、話題となる。
以降、ドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」、「ホームルーム」、「17.3 about a sex」、「賭ケグルイ双」など話題作への出演。
2021年には舞台「目頭を押さえた」でW主演を務め、初舞台を踏んだ。
2022年はドラマ「ショート・プログラム」、「彼女、お借りします」、「覆面D」や、2度目の舞台パルコ・プロデュース「幽霊はここにいる」にも出演。
前売り券について
さて完成披露試写会についてですが、映画の公式サイトから完成披露試写会と各地映画館で使用できるオリジナルデザインの前売り券を入手しました。
デザインは2種類あり、ポスタータイプのデザインと昔のバスの乗車券をモチーフとしたデザインです。ポスターも4枚くらい一緒に送られました。
試写会は自由席でしたが、各地の映画館はこの前売り券では座席指定ができませんので、会場で別途入場券に引き換える必要があります。
映画の感想
映画は予告の時点ではコメディ満載の映画という認識で見ていましたが、実際に見終わったらコメディ要素5割、感動要素3割、ホラー要素1割、恋愛要素1割という印象を持つほど意外にも様々な要素が組み合わさっている構成でした。
いい意味で期待を裏切られましたね。
主人公の保津川美南が新卒で入社したバス会社で奮闘していく様子に、管理人の新卒のときは周りの人からこんな感じで面倒を見てもらっていたのかなあと、懐かしさを感じながら見ることができました。
ちょっとポンコツな保津川美南と大阪のオカンのような明るい女性の上司、千代川ヒカルとのシーンは思わず声を出して笑いそうになりましたし、運転手として徐々に仕事に慣れ始めてきたかな?と思い始めた時にやってきた困難に立ち向かう光景は手に汗握るシーンでした。
70分で色々な感情になるのでとても忙しいです。
映画を見るまでは全く想像ができなかったホラー要素ですが、上映後にポスターを眺めていると実はデザインにヒントが隠されていたんですね(詳細はネタバレのため記載しません)。デザイナーとして活動している管理人なのにデザインから展開を予想できることができなかったのでちょっと敗北感がありました。
亀岡は霧の町と言われているので、単にポスターにも霧を入れたんだと思っていましたが、映画内でもこの霧がストーリーの展開を左右するシーンもありました。
恋愛要素は、こちらも上映前は無いものだと決めつけていましたが、映画内でも直接的なセリフとしては保津川美南とその友達との会話に少しだけでてきただけでした。
その会話を聞いてからはもしかしたら今後あの2人は恋愛関係に発展するのかなと、恋愛視点を持ちながら映画を見るとまた別の楽しみ方があると思います。
結局最後まで恋愛の結末については描かれていませんでしたが、最後のシーンを見ると恋愛感情のような親子愛のような微妙なラインの気持ちを感じました。
本上映では恋愛視点も強く頭に残しながら見たいのですが、実際に映画を見ていただくとこの悩ましい感情にも共感をしてくれる方もいるのでは?と期待しています。
この映画は笑い、ドキドキ、感動と予想ができない展開でストーリーが進んでいくので、上映時間の70分がとても長く感じるような感覚になりかなりとても満足できました。
個人的にも主演の秋田汐梨さんは映画「惡の華」、ドラマ「賭ケグルイ双」、「覆面D」、「恋愛バトルロワイヤル」などの作品を見てきましたし、今住んでいる京都府出身の今売り出し中の女優なので今回の映画で頑張っているシーンを見て、今後も大きな映画やドラマでも活躍してほしいなと思いました。
舞台挨拶の様子
試写会後はキャストと監督による舞台挨拶が行われました。
管理人の回の登壇者はこちらです。
秋田汐梨(保津川美南役)右から2番目
梶浦梶子(千代川ヒカル)左から3番目
黒川英二(湯野花男役)左端
森下稜稀(穴王子彼理亜役)左から2番目
三木葉南(小学生時代の保津川美南役)右から3番目
片岡れいこ監督 右端
まずは片岡れいこ監督のお話から。
まずはバスをモチーフにした映画が少ないのは公道を貸し切る必要、演者に運転免許が必要、実際に走らす必要があるため、私有地である電車の映画と比べて撮影がとても難しいとのお話がありました。
確かにバスの映画は今までに見たことがなく、飛行機や電車の映画はよく見るような気がします。
飛行機は実際に飛ばす必要なく、スタジオで撮影して後付けで映像をつける制作方法です。
主演の秋田汐梨さんは、今まで演じてきた役は翻弄されていくヒロインが多かったが、今回の役は夢に向かって突き進む希望に満ちた役、そして映画やドラマのように原作がないためどのような雰囲気で演じたらいいのか自分で想像しなければならないところに難しさを感じた。と話されていました。
過去の出演作品を見ていると、惡の華や覆面Dはまさに翻弄される役柄、賭ケグルイ双の花手毬つづらは学校のいじめられっ子とマイナスな一面を持つ役が多い印象です。
今回はマイナス要素0のポジティブな役でしたので、画面を通して見る初めての秋田さんだったと思います。
自分は人見知りだから、撮影現場でなかなか打ち解けることはできなかったと言っていましたが、監督からは自分の意図をしっかり汲み取った演技をしてくれてほとんどNGを出すことが無かったと評価されていました。
少女時代の小学生時代の保津川美南役を演じた子役の三木葉南は監督が「この子しかいない!」と思って抜擢したというお話がありました。
理由としては、主演の秋田汐梨さんと雰囲気が似ていたからだそうです。
「将来はどんな女優さんになりたいですか?」 と司会者に質問された際には迷いなく「秋田汐梨さんのような女優さんになりたいです!」と皆の期待通りの回答をしていました。
秋田汐梨も女優としてはこれからどんどん出てくるでしょうし、三木葉南もいつかは人気雑誌のモデルになったり、あるいは女優としてテレビで見る機会がでてくるのでしょうか。今後の活躍が楽しみです。
保津川美南の上司役で出演した梶浦梶子さんはとても強烈なキャラで、映画に出ていた性格そのものでした。
てっきり役作りかと思っていたのですが...
にぎやかなキャラでしたので、この舞台挨拶では主人公のように感じましたね。ネタが尽きませんでした。
強烈すぎて逆に、舞台挨拶で何をお話しているのか忘れてしまいました笑
黒川英二さんはバスの運転実習の教官として登場した湯野花男役でしたが、映画のツンツンした雰囲気とは逆のおっとりとした雰囲気で驚きました。
映画中は何この面倒臭そうなヤツ、と思っていました笑
黒川英二さんは撮影期間中、スタッフと3人で焼肉に行こうと話していたが、1人増え、1人増えと連鎖が続き、最終的には秋田さんを含め10 人規模の宴会になってしまい幹事の自分は撮影そっちのけで安い焼肉屋を探すのを頑張ったと裏話をされていまいた。
森下稜稀さんは会社内でご飯ばかり作っている穴王路彼理亜役として出演されました。
外国語のような発音でしゃべる日本人という非常に尖ったキャラで、登場シーンのほとんどがエプロン姿でご飯を提供しているシーンでした。(食堂の料理人ではありません)
非常に難しい役柄を与えられた当初はかなり悩んだけど監督には相談せずに自分のイメージを作り上げ、ぶっつけ本番で披露したらそのまま採用されたそうです。
舞台挨拶後は1分間ほど一般向けにも撮影タイムが設けられ、たくさんの写真を撮りました。
秋田さん可愛いかったです。
公開予定
2024/9/13~9/26 京都シネマ
2024/10/5~10/18 渋谷ユーロスペース
2024/10/19~11/1 大阪シネヌーヴォ
2024/10/26〜11/1 元町映画館
2024/11/30~12/6 名古屋シネマスコーレ