京都の五重塔といえばよくテレビや雑誌で見る有名な八坂の塔に、電車で京都駅近くを通ったときに車窓から見える東寺にあとは...清水寺?
清水寺は残念ながら三重塔なんですよね〜
もしかしたら八坂の塔、東寺以外の五重塔が思い浮かばない方もいらっしゃるかもしれません。
実は京都市には上記2箇所以外にもう2箇所、伏見区の醍醐寺、右京区の仁和寺にも五重塔があります。
今回は京都市にある4つの五重塔のご紹介をしていきます。
法観寺(八坂の塔)
東山区の法観寺、建立は1440年で高さは約46m。
テレビや雑誌で高頻度に登場する法観寺の五重塔の初期の建立は実は京都市内では最も古く589年。
度重なる火災で焼失を繰り返し、現在の姿が1440年に建立されたものです。
初層と二層までは拝観が可能ですが、法観寺の拝観は不定期でなかなか開いている日が見つからないことで有名です。
醍醐寺
伏見区の醍醐寺、建立は951年で高さは約38m。
京都市では最も古い建立となっており、日本では奈良の法隆寺、宝生寺に次ぐ3番目の古さです。
京都市は応仁の乱や禁門の変など数多くの戦火があり、醍醐寺も多くの伽藍が焼失しました。
しかし驚くことに五重塔だけは戦火を免れ、建立当時の姿が現存している貴重な五重塔です。
醍醐寺の境内は桜が有名で、これは晩年の豊臣秀吉が醍醐寺で花見を行うために植林を進めた名残です。
この花見の5ヶ月後に秀吉は病死したため、人生最後の花見がこの醍醐寺であったと言われています。
東寺
南区の東寺、建立は1644年で高さは約55m。
京都市では最も背の高い五重塔で、日本では福井県の清大寺(75m)、兵庫県の長楽寺(70m)に次ぐ3番目の高さがあります。
しかしこの2つは鉄筋製であり、木造の五重塔では東寺は日本で1番の高さになります。
東寺の五重塔は初めの建立が始まったのは826年で、そこから約50年後に初代の五重塔が完成しました。
初代五重塔は1055年に落雷で焼失、その後3度の火災で焼失し、現在の五重塔は1644年建立の5代目となります。
各層の屋根の大きさは均一であり、江戸時代の建築様式が現れています。
仁和寺
右京区の仁和寺、建立は1644年で高さは約36m。
仁和寺では度重なる火災で昔の資料の多くが焼失したため、最初の五重塔がいつ建てられたのかは不明。
背が小さい御室桜と五重塔のコラボは、京都の桜の名所でもトップクラスの知名度があります。
各層の屋根の大きさは均一であり、江戸時代の建築様式が現れています。