京都の飲食店で、ときどき見かける「黒七味」。
一般的な七味唐辛子とは違って、その名の通り見た目は真っ黒。
しかし、ただ辛いだけの調味料ではありません。唐辛子の辛味に加えて、山椒の香りや、焙煎された胡麻などの香ばしさが広がる、京都らしい個性的な薬味です。
今回は、そんな黒七味を自宅でも日常的に使っている管理人が、実際にどんな料理に合わせているのか紹介していきます。


京都・原了郭の黒七味
今回購入した黒七味を製造・販売しているのは、京都・祇園に本店を構える「原了郭」です。
原了郭は1685年創業の老舗で、京都を代表する七味・香味料の専門店として知られています。
ちなみに、管理人が祇園祭でボランティアとしてご奉仕している宮本組では、原了郭の店主が組頭を務めています。

原了郭の店舗は京都市内にも複数ありますが、今回訪れたのは祇園にある本店。
花見小路通から四条通を挟んですぐ北側にあり、祇園散策の途中にも立ち寄りやすい場所です。

こちらが原了郭の主力商品のひとつ「黒七味」です。
木筒に入った見た目も特徴的で、左が通販でも購入できる四角形の容器、右が京都限定の八角形の容器です。

店内には黒七味を使ったカレーや麺類、ポテトチップスなど、黒七味を使ったさまざまな商品も並んでいます。

黒七味と一般的な七味の違い
ところで、黒七味は一般的な七味唐辛子と何が違うのでしょうか。
一般的な七味唐辛子には、唐辛子、陳皮、白ごま、黒ごま、青のり、麻の実、けしの実、山椒など、さまざまな香辛料が使われます。
一方、原了郭の黒七味も、唐辛子、白ごま、黒ごま、青のり、麻の実、けしの実、山椒を使用しています。
つまり、使われている原料だけを見ると、一般的な七味と大きく異なるわけではありません。
黒七味が特徴的な黒色をしているのは、原料を焙煎してから調合することによるもの。
この焙煎によって、山椒の爽やかな香りだけでなく胡麻などの香ばしさも感じられる、独特の風味が生まれています。
実際に使ってみると、辛さだけを楽しむ七味というよりも、料理に香ばしさと山椒の風味を加える薬味という印象です。
黒七味を使った料理レパートリー
では管理人が日常でどのような料理に使っているのかご紹介。
正直、黒七味は和洋中どんな料理に使ってもしっかりと料理を引き立ててくれるので、逆にどの料理に合わないのか探すほうが難しいです。
ガレット

まずは、管理人が朝ごはんによく作るガレット。
蕎麦粉を使った生地に、チーズ、ハム、卵を合わせています。
ここに黒七味を振りかけると、チーズやハムのコクに山椒の香りが加わり、いつものガレットとは少し違ったスパイシーな味わいになります。
刺身

意外と相性がよかったのが刺身です。
マグロの刺身を醤油につけ、そこへ黒七味をサッと一振り。
醤油の香りに黒七味の山椒や焙煎された香辛料の風味が加わります。
これならカツオのたたきにポン酢と黒七味を合わせても美味しそう。次はぜひ試してみたい組み合わせです。
焼肉の薬味

焼肉の薬味というと、タレのほかに岩塩やネギ塩などが定番です。
そこに黒七味を加えてみると、山椒の香りとピリッとした辛味が肉の脂とよく合います。
脂の多い肉に黒七味を合わせることで、後味がキリッと引き締まるような感覚があります。
コロッケ

スーパーで買ってきたコロッケにも黒七味。
そのまま食べてももちろん美味しいのですが、黒七味をかけると山椒の香りと辛味が加わり、安物が一気に高級料理に変化したように思えます。
ケチャップライス

和風の薬味というイメージが強い黒七味ですが、洋食にもよく合います。
試しにケチャップライスに振りかけてみたところ、ケチャップの甘酸っぱさとコンソメの旨味に、黒七味の香ばしさと辛味がよく合いました。
塩や胡椒を使うような料理なら、洋食でも幅広く合わせられるのではないかと思います。
カレー

カレーとの相性もなかなかのものです。
原了郭の店舗でも黒七味を使ったカレーが販売されていたので、自宅で作ったカレーにも黒七味を試してみました。
今回は甘口のルーを使用。
そこに黒七味を加えると、山椒や唐辛子の辛味が加わり、甘口カレーが一気にスパイス感のある味わいに変わります。
個人的には、黒七味をしっかり感じたいなら、甘口のカレーに合わせるのがおすすめです。ルーが辛口だと味がよくわからなくなりました。
湯豆腐

京都らしい料理との組み合わせなら、湯豆腐もおすすめです。
湯豆腐のポン酢に黒七味を加えてみました。
ポン酢に含まれる柚子の香りと、黒七味の山椒の香りは相性がよく、さっぱりとしたポン酢に香ばしさと辛味が加わります。
淡白な豆腐だからこそ、黒七味の風味がしっかり感じられる組み合わせです。
衣笠丼

最後は京都のご当地料理「衣笠丼」です。
衣笠丼は、親子丼の鶏肉を油揚げに置き換えたような料理で、京都では昔から親しまれてきました。
もともと衣笠丼には山椒を振って食べることが多いので、今回は右半分に原了郭の山椒、左半分に黒七味を振りかけて食べ比べてみました。
山椒だけの場合は、いつもながら芳醇な香りが料理を引き立てます。
一方、黒七味にすると山椒の香りに加えて唐辛子の辛味や焙煎された香ばしさも加わり、より複雑で奥行きのある味わいになります。

山椒はスーパーで買える普通の山椒とは違って香りの立ち方が尋常ではない、これを使ってしまえばもうスーパーの山椒には戻れないレベルです。
黒七味は意外と何にでも合う万能薬味
実際にいろいろな料理で試してみると、黒七味は思っていた以上に使い道の広い調味料でした。
和食だけでなく、焼肉やコロッケ、ケチャップライス、カレーなどの洋風料理にも合わせることができます。
特に、料理に「辛味だけでなく香りも加えたい」というときに使いやすいのが黒七味の魅力だと思います。
京都土産として購入するのはもちろん、普段使いの調味料として一本持っておくのもおすすめです。
原了郭 祇園本店の店舗情報
| 住所 | 京都市東山区祇園町北側267 |
| 営業時間 | 10:00~18:00 |
| 定休日 | 1月1日・2日 |
| 公式HP | https://shop.hararyoukaku.co.jp |
