二条城は、江戸幕府初代将軍の徳川家康によって、1603年に築かれました。
江戸幕府の政治の中心は江戸にありましたが、二条城は将軍が京都を訪れた際の宿泊所や拠点としても使われました。また、天皇の住まいである御所に近い場所に築かれたことには、京都における徳川幕府の権威を示す意味合いもあったと考えられます。
二条城の歴史を語るうえで欠かせない出来事が、1626年に行われた「寛永行幸」です。
これは、後水尾天皇が京都御所から二条城へと行幸した、江戸時代を代表する歴史的な行事。
当時の将軍は3代将軍・徳川家光で、祖父の家康が築いた二条城を大規模に整備し、天皇を迎えました。
行幸は5日間にわたって行われ、将軍や大名、公家など多くの人々が参加しました。諸説ありますが、関係者を含めて総勢約9,000人に及んだともいわれています。
天皇を迎えるための二条城の改修では、建築や庭園の整備が進められ、障壁画や調度品、衣装、茶道など、さまざまな分野で華やかな文化が花開きました。
こうした寛永年間を中心とする文化は、後世に「寛永文化」と呼ばれています。
そして2026年は、寛永行幸から400年という節目の年。
京都市内の博物館や寺社などでも、寛永行幸や寛永文化に関連する展示・催しが行われています。
もちろん、歴史の舞台となった二条城でも関連イベントが開催されています。
そのひとつが、2026年秋に開催されるライトアップイベント「NAKED meets 二条城 2026」です。
今回のイベントをより深く楽しむうえで注目したい人物が、徳川和子(まさこ)、のちの東福門院です。和子は2代将軍・徳川秀忠の娘であり、後水尾天皇の中宮でもありました。
徳川将軍家の娘が天皇の后となったことは、朝廷と幕府の結びつきを強めるうえで重要な意味を持っていました。和子は両者をつなぐ存在であり、寛永行幸を理解するうえでも欠かせない人物です。
NAKED meets 二条城 2026では、徳川和子や寛永行幸にゆかりのある文化を、プロジェクションマッピングや光の演出など、現代のアートを通して体感できます。

東大手門を通って最初のエリアへ進むと、徳川和子の生涯や寛永行幸について紹介する映像が映し出されています。
ライトアップを楽しむだけでなく、イベントの背景にある歴史を知ることで、二条城という場所が持つ意味もより深く感じられます。


こちらは、二条城の正門にあたる東大手門を入った先にある唐門です。
唐門は、寛永行幸に向けた寛永期の大改修で整備された建造物のひとつ。豪華な彫刻や装飾が施されており、二条城の格式を感じられる見どころです。
唐門の両側の壁や門前の足元にも、光を使った演出が施されています。
寛永行幸をきっかけに花開いた建築や絵画、工芸などの文化が、二条城へと集まってくる様子を表現しているようです。
歴史ある建造物と現代の光のアートが組み合わさり、昼間とは異なる表情を楽しめます。



こちらは、国宝に指定されている二の丸御殿です。
建物の外壁には、二の丸御殿の障壁画に描かれた松や鶴などをモチーフにしたライトアップが施されています。
二の丸御殿の障壁画は、江戸時代を代表する絵師集団・狩野派によって描かれたもの。
部屋ごとに異なる題材や豪華な装飾からは、将軍の権威を示す空間として整えられた御殿の特徴を感じられます。
夜間イベントでは二の丸御殿の内部を見学できないため、障壁画そのものを鑑賞したい方は、日中の公開時間にも訪れてみてください。


続いては、二の丸庭園です。
二の丸庭園は、寛永行幸に向けた整備の際に、小堀遠州らが関わって改修されたと伝えられています。池を中心に、石や植栽を巧みに配置した池泉回遊式庭園です。
寺院の庭園とはまた異なる、武家の城ならではの力強さを感じさせる景観も魅力。存在感のある石組みが印象的で、庭園からも将軍家の威厳をうかがうことができます。

こちらは本丸エリアです。
二条城にはかつて五層の天守がそびえていましたが、1750年に落雷によって焼失しました。
後年に本丸御殿も焼失し、現在の本丸御殿は明治時代に桂宮御殿の一部を移築した建物です。
今回のイベントでは、本丸の石垣を巨大なスクリーンに見立て、着物が織り上げられていく様子を光で表現しています。
寛永行幸では、天皇や公家、将軍、大名など、多くの人々が集まりました。身分や役割に応じた華やかな装束も、行事を彩る重要な要素だったと考えられます。大規模な行事に伴う衣装や調度品の需要は、京都の染織や工芸の発展とも深く関わっていました。
徳川和子が注文した小袖の意匠を伝える史料も残されています。衣装のデザインや染めの文化に注目してみると、寛永文化の華やかさをまた違った角度から楽しめます。





池の向こうに見える建物は、香雲亭です。
こちらでは、徳川和子とゆかりのある「御所染」を思わせる色彩の演出が楽しめます。御所染は、宮中で好まれた染めや模様と結びついて広まったもの。和子の衣装文化を思い浮かべながら眺めると、光の色合いにもまた違った趣を感じられます。

こちらは清流園です。
清流園は、1965年に造営された庭園です。江戸時代の二条城とは異なる時代に整えられた庭園ですが、城内の歴史ある景観とあわせて散策を楽しめます。

日向坂46・正源司陽子さんの音声ガイド
今回のイベントでは、日向坂46の正源司陽子さんによる音声ガイドも楽しめます。
寛永行幸が行われた当時、徳川和子は19歳。正源司陽子さんも同じ19歳ということから、和子の生涯やイベントの背景を身近に感じられる案内となっています。
各エリアの建造物やライトアップの演出について解説してくれるので、音声ガイドを聴きながら巡ると、目の前の光景に込められた意味をより深く理解できます。訪問前に再生できるよう準備しておくのもおすすめです。
NAKED meets 二条城 2026のイベント情報
「NAKED meets 二条城 2026」は、寛永行幸400年を迎える二条城を舞台に、歴史と現代アートが融合した光の演出を楽しめるイベントです。徳川和子や寛永文化に思いを馳せながら、夜の二条城を巡ってみてはいかがでしょうか。
| 場所 | 元離宮二条城(京都市中京区二条城町541) |
| 開催期間 | 2026年10月23日(金)~12月5日(土) |
| 開催時間 | 18:00~22:00(最終入場21:00) |
| 料金 | チケット料金・詳細はこちら |
※内覧会にて撮影
