滋賀県大津市の比叡山にある延暦寺(えんりゃくじ)は、天台宗の総本山。京都府との県境に位置し、世界文化遺産「古都京都の文化財」の構成資産にも登録されている歴史ある寺院です。
広大な境内は東塔(とうどう)・西塔(さいとう)・横川(よかわ)の3つのエリアに分かれており、それぞれにお堂や御朱印の授与所があります。ひとつのお寺とは思えないほど規模が大きく、すべてをじっくり巡るには時間が必要です。
今回、11月上旬に延暦寺を訪れましたが、東塔と横川の2エリアを巡るだけでも見どころが多く、西塔までは足を延ばせませんでした。
この記事では、実際にいただいた根本中堂と横川中堂の御朱印2種類を写真付きで紹介します。御朱印に書かれた文字の意味や志納金、授与場所のほか、参拝時に印象に残ったお堂の様子もまとめました。
比叡山延暦寺とは?歴史を簡単に紹介
延暦寺の始まりは、788年に伝教大師・最澄(さいちょう)が比叡山に建てた一乗止観院(いちじょうしかんいん)。これが後の根本中堂へとつながります。
最澄は804年に唐へ渡り、天台教学などを学んで翌805年に帰国。806年には天台宗の開宗が認められ、823年に「延暦寺」の寺号を賜りました。
比叡山は長く仏教の修行と学問の拠点として栄え、後に浄土宗を開く法然、浄土真宗の宗祖・親鸞、臨済宗の栄西、曹洞宗の道元、日蓮宗の日蓮など、多くの僧侶がここで学びました。そのため、延暦寺は「日本仏教の母山」とも呼ばれています。
一方、1571年には織田信長による比叡山焼き討ちに遭い、多くの堂舎が焼失しました。その後、豊臣・徳川政権の時代に再建が進められ、現在の根本中堂は1640年に再建された建物です。
こうした歴史を知ったうえで参拝すると、御朱印に記されたご本尊の名前やお堂の由緒も、より印象深く感じられます。
国宝・根本中堂|大改修中の貴重な景色を見学

東塔エリアにある根本中堂は、延暦寺の総本堂であり国宝に指定されている建物です。現在の建物は江戸時代に再建されたもので、2016年度から大規模な保存修理が進められています。
2026年11月現在、根本中堂の堂内は改修に伴い閉堂中です。ご本尊の御前立である薬師如来像と「不滅の法灯」は、東塔の萬拝堂に特別奉安されています。

工事中ならではの見どころが、保存修理の様子を間近で見られる修学ステージです。
階段を上がると、普段は見上げることしかできない屋根や軒先に近い高さから建物を眺められます。長い歴史を持つ文化財が、どのように守られているのかを知る貴重な機会でした。
※修学ステージは2026年12月頃までの見学予定と案内されています。公開範囲や見学可能期間は変わる場合があるため、根本中堂大改修の公式案内で最新情報をご確認ください。
横川中堂|秋には内陣の特別拝観も

横川エリアの中心となる横川中堂は、聖観音菩薩を本尊とするお堂です。東塔とはまた違った、山深い場所ならではの落ち着いた雰囲気が感じられます。

訪問した秋の時期には、通常は入れない内陣通路の特別公開が行われていました。
ご本尊の聖観音菩薩をはじめとする仏像を、普段よりも近い場所から拝観できる貴重な機会。御朱印をいただく際には、こうした期間限定の公開情報も確認しておきたいところです。
2026年の横川中堂特別内陣拝観は10月31日(土)~11月23日(月・祝)の開催。詳しくは京都観光Naviの開催案内をご覧ください。
比叡山延暦寺でいただいた御朱印2種類
延暦寺では、各お堂のご本尊にちなんださまざまな御朱印が授与されています。今回いただいたのは、東塔・根本中堂の「醫王殿」の御朱印と、横川・横川中堂のご本尊である聖観音にちなんだ御朱印です。
根本中堂の御朱印「醫王殿」|東塔エリア

延暦寺の中心となる根本中堂の御朱印です。参拝時は1体500円で、持参した御朱印帳に直接書いていただけました。
中央に書かれているのは「醫王殿(いおうでん)」の文字。根本中堂のご本尊である薬師如来にちなんだものです。
「醫王」は、病や苦しみを癒やす仏として信仰される薬師如来を表す呼び名。「醫王殿」という文字からも、薬師如来をお祀りする根本中堂の由緒が感じられます。
授与場所は東塔エリアの萬拝堂(まんぱいどう)です。根本中堂の改修に伴い、御朱印の授与場所が変更されているので注意しましょう。
横川中堂の御朱印|ご本尊は聖観音

こちらは横川エリアの中心となる横川中堂でいただいた御朱印。ご本尊の聖観音菩薩にちなんだ御朱印です。
参拝時の志納金は1体500円で、こちらも御朱印帳に直接記入していただけました。
横川中堂は東塔から離れた場所にありますが、御朱印とあわせてお堂そのものもじっくり拝観したいスポットです。
延暦寺オリジナルの御朱印帳も充実

延暦寺では、オリジナルの御朱印帳も数多く用意されています。訪問時には10種類以上の御朱印帳が並んでおり、デザインを見比べながら選ぶ楽しさがありました。
確認した御朱印帳の価格は1冊2,000円。種類や価格、在庫は変更される場合があるため、現地で確認してください。
御朱印をいただける場所はどこ?
今回紹介した2種類の御朱印は、別々のエリアで授与されています。とくに根本中堂の御朱印は、改修工事中のため根本中堂そのものではなく萬拝堂での対応です。
| 御朱印 | エリア | 授与場所 | 志納金(訪問時) |
|---|---|---|---|
| 根本中堂「醫王殿」 | 東塔 | 萬拝堂 | 500円 |
| 横川中堂(聖観音) | 横川 | 横川中堂内 | 500円 |
どちらも訪問時は御朱印帳への直書きに対応していました。ただし、混雑状況や行事などによって授与方法が変わる場合があります。最新の情報は延暦寺公式サイトの御朱印案内をご確認ください。
また、延暦寺には今回紹介したもの以外にも、大講堂や阿弥陀堂、釈迦堂などの御朱印があります。御朱印巡りが目的の場合は、参拝したいお堂を事前に決めておくと効率的です。
拝観時間・拝観料
拝観時間
西塔・横川地区:9:30~16:00
東塔地区:9:00~16:00
拝観料
東塔・西塔・横川共通券:大人1,000円 中高生600円 小人300円
アクセス・交通情報
| 電車 | 叡山電鉄八瀬比叡山口駅から叡山ケーブル、叡山ロープウェイ、シャトルバスの乗り継ぎ |
| バス | 京都駅・三条駅から比叡山ドライブバスに乗車し70分 |
| 車 | 専用駐車場あり 有料道路の比叡山ドライブウェイを通る必要あり |
| 自転車 | 延暦寺周辺は自動車専用道路のため自転車でのアクセス不可 |
